仕入れガイド販売パートナー向け
『代理店になりたい』とメーカーに送るだけでは、相手は在庫、価格、店舗開拓のどれを頼みたいのか分かりません。日本側で先に言語化するのは、自分の販路、既存顧客の業態、初回で抱えられる数量です。
代理店と卸の権限の違いは既存記事でも扱っています。この記事では、営業力、チャネル、顧客基盤、商品の選び方、メーカーへの提案の中身、契約前の確認、BrandBridgeの使い方に進みます。契約の法的効力は断定しません。
代理店の役割
役割は案件ごとに違います。輸入して卸す、店舗を開拓する、ECを運営する、紹介だけする、が混在します。メーカーが『Japan distributor』と書いていても、実際は在庫なしの紹介契約であることがあります。
自社が引き受けられる範囲を先に決め、それを超える機能(例: 全国の百貨店帳合)はできない、と伝えた方が、後の齟齬が減ります。
必要な営業力
営業力は、新規の飛び込み件数より、既存口座で試験導入を通せるかです。日本の小売は、未知の海外ブランドを一担当の好みだけでは置きません。誰が社内の仕入れ会議に載せ、どの資料があれば決裁できるかを説明できることが、メーカーから見た価値です。
英語で条件を取り、日本語で店頭に落とす、その往復ができるかも見られます。翻訳そのものより、数字がずれないことが重要です。
販売チャネル
専門店、百貨店、総合EC、自社EC、業務用は、求められる納期と返品と世界観が違います。全部できます、はメーカーには響きにくいです。最初の12か月で優先するチャネルを一つに近づけると、提案が具体的になります。
既存顧客
メーカーが見たいのは、店舗数の自慢より、業態と価格帯です。例: 地方の雑貨店20店、都市部の美容室ルート、食品の業務用など。顧客が競合ブランドをすでに扱っているなら、棚の空きと、切り替えの難しさを先に見積もります。
商品選定
代理店になる商品は、好きなブランドである必要はありますが、それだけでは足りません。日本の規制に引っかかりそうか、価格帯が既存顧客と合うか、MOQが資金に合うか、リピートがあるかです。選定の詳細は商品選定ガイドに譲り、ここでは『自社が説明できるSKUに絞る』が原則です。
メーカーへの提案
提案書に入れるのは、会社概要の次に、チャネル、既存顧客の業態、初回SKUと数量の仮説、必要なサポート(日本語資料、サンプル、納期)、希望する契約の範囲(非独占の試験か、エリア限定か)です。
いきなり全国独占と最低保証を求めると、実績のない相手には通りにくいです。試験期間と、その結果で範囲を広げる話の方が、メーカーも社内決裁しやすいです。
- 自社のチャネルと顧客業態
- 初回で見るSKUと数量の仮説
- 輸入者と在庫の主体
- 12か月でやりたいこと、やらないこと
契約前の確認事項
販売地域、チャネル、SKU、期間、最低数量、価格改定、終了時の在庫、商標の使い方です。口頭の『任せる』は残しません。法的レビューは専門家へ依頼してください。
BrandBridgeとの接点
BrandBridgeは、海外ブランドが条件を載せ、日本の卸・小売・EC・バイヤーが取り扱いを検討する場です。代理店契約の当事者にはなりません。候補商品のMOQや卸の目安を比較し、問い合わせの前に自社の販路と照らす、という使い方が向きます。
販売パートナーとして登録すると、掲載商品を追いやすくなります。輸入代行や在庫の買い取りは行いません。
注意点
独占を急いで取ると、動かなかったときの縛りが残ります。逆に、条件を決めないまま売り始めると、メーカーの公式ECと価格が衝突します。範囲を狭く始めて、数字が出てから広げる方が現場向きです。
よくある質問
代理店志望でよく出る質問です。
個人事業でも代理店になれるか
メーカーの与信と、小売の口座の事情によります。法人でないと取引できない相手もいます。できる範囲のチャネルから入る方が現実的です。
取り扱い実績がなくてもよいか
そのカテゴリーの顧客がいるなら、試験数量の提案は通りやすいです。まったく別業種だと、メーカーは販路のイメージが湧きません。
複数ブランドの代理店を兼ねてよいか
競合関係と、契約上の制限によります。同じ棚で食い合うブランドを黙って兼ねると、どちらからも信頼を失います。
