日本語ガイド販売パートナー向け
海外ブランドとのやりとりで最初に出てくる数字の一つがMOQです。単価だけを見て「安いから大きいロットで買う」と、売れる前に在庫とキャッシュが固定されます。
卸取引の流れは仕入れ・卸取引を始める方法、仕入れ先の選び方は仕入れ先の比較で扱っています。この記事は、最低ロットそのものの見方に絞ります。
MOQの意味
Minimum Order Quantityは、一度の発注で求められる最小数量、または最小金額です。生産ロット、輸出梱包、ブランドの在庫方針によって決まります。数量なのか金額なのか、SKU合算なのか単品なのかを、先に確認してください。
「MOQを下げてほしい」は、相手のコスト構造への変更依頼です。代替として、色やサイズを絞る、初回だけ混ぜる、再発注で単価を見直す、といった話になります。
安く仕入れられることと、売り切れることは別です。MOQは価格交渉の材料である前に、在庫リスクの上限です。
最低ロットと最低発注金額
海外仕入れの最低ロットは、ピース、ケース、パレット、金額のいずれかで提示されます。ケース入数が大きいと、ピースMOQが小さく見えても実数は大きくなります。混載できると言われた場合も、色・香り・サイズごとに下限がないかを確認します。
小ロットで始めるなら、SKUを増やす前に、主力1〜2点で回転を見ます。単価交渉は、数量を約束してからが話になりやすく、初回から大幅な値下げだけを求めると、相手の生産条件と噛み合いません。
- MOQが数量か金額か、合算か単SKUか
- ケース入数と、端数発注の可否
- 試作品・サンプルと量産でMOQが違うか
- 再発注時に初回より下がるか、上がるか
小ロット仕入れで確認すべきポイント

単価が高くても、売れる見込みの範囲なら、初回は小さくてよいことがあります。見るのは希望小売価格から、卸、送料、関税、国内物流、返品を引いた残りです。費用の内訳は輸入・仕入れの費用と条件で確認項目を分けています。
- 何個までなら保管できるか
- 何週間・何か月で売り切る想定か
- 再発注までの日数と最小単位
- SKUをいくつ同時に抱えるか
- 初回だけ小さくできる例外があるか
- サンプルで中身を確認できるか
海外の卸MOQで起きやすい誤解
ケース単位とピース単位が混ざる、試作品のMOQと量産のMOQが違う、混載できると言われたのに色ごとに最低がある、といったずれがよくあります。発注書に「何のMOQか」を一文残してください。
掲載でMOQを先に見る
商品一覧の参考MOQは目安です。数字がある場合は、自社の販売計画と突き合わせてから問い合わせると、商談が具体的になります。未記載なら、問い合わせの最初の質問にしてください。分野から絞る場合はカテゴリーも使えます。
在庫と資金の上限の決め方
海外仕入れの最低ロットを見るときは、倉庫の空きより先に、資金が何週間固定されるかを見ます。入金から入荷、店頭・ECでの回転までの期間が長いほど、同じMOQでも負担は大きくなります。小ロット仕入れは「少量だから安全」ではなく、「売り切るまでの期間が短い数量」を選ぶ、という意味です。
試しに置くための数量と、継続販売のための数量は分けて考えてください。試し置きはサンプルとごく少ない初回で足りることがあり、継続は再発注単位とリードタイムで決まります。両方を同じMOQで一度に買うと、売れ残りのリスクが初回に集中します。
- 入金から入荷までの日数
- 入荷から売り切るまでの想定週数
- 欠品した場合の代替SKUの有無
- 返品不可の場合の値引き販売の余地
MOQ交渉の順序
海外卸のMOQ交渉で最初に出すのは、値下げ要求ではありません。自社の販路、初回で抱えられる上限、再発注の見込みを先に出すと、相手は混載、色の絞り込み、初回例外のどれが現実的かを返しやすくなります。数量の根拠がない値下げは、生産条件と噛み合わず、返信が止まりやすいです。
交渉結果はチャットの一言で終わらせず、発注書に「何のMOQか」を残します。ピース、ケース、金額、SKU合算のどれかが空だと、出荷直前に数量不足で止まったときに根拠がありません。合意した例外(初回のみ半量など)は、期限と対象SKUも一文で書いてください。
小ロットで始める場合でも、再発注の最小単位が初回より大きいことがあります。初回だけ例外で通っても、2回目からケース単位に戻ると、売場の回転と合いません。海外卸に聞くときは、初回MOQと継続MOQを分けて書いてください。
