仕入れガイド海外ブランド向け
日本の卸・小売・ECの仕入れ担当は、毎日多くの海外メーカーからメールを受けます。件名が『Partnership』だけで、本文がブランドの歴史だと、後回しになります。必要なのは、何を、いくらの条件で、何個から、日本のどのチャネルで売りたいかです。
この記事では、最初の問い合わせに入れる情報、返信率を下げる例、良い構成、よくある質問を実務目線で整理します。テンプレートの丸写しではなく、自社の数字に置き換えて使ってください。
最初の問い合わせで必要な情報
担当者は、社内の商品会議用に、カテゴリー、価格帯、数量、既存の日本販売の有無を抜き出します。それが本文の先頭10行にないと、添付PDFまで読まれません。
- 会社名、担当者名、返信可能な言語と時間帯
- 希望する相手の役割(卸、店舗、EC、輸入)
- 主力SKUの概要と、今提案する点数
- 卸の目安、通貨、渡し条件、MOQ
- サンプルの可否と送付元
ブランド概要
創業年や受賞歴は、短く末尾で足ります。先に書くべきなのは、誰向けのブランドか、日本で既に売っているか、競合として並びそうな価格帯です。『世界中で愛されています』は情報になりません。
商品情報
写真リンク、サイズ・容量、材質や主要成分、賞味・使用期限、対象、注意が必要な点です。全SKUを載せると埋もれるので、日本で先に出したい3点程度に絞ります。規制の要否は断定せず、該当しそうなら『要確認』と書いてください。
MOQ
ケース単位とピース単位、初回だけ小さくできるかを書きます。『応相談』だけだと、担当者は会議に出せません。幅があるなら、最小ロットと、そのときの単価をセットで出します。
卸価格
通貨、インコタームズ、有効期限です。希望小売の参考があれば、強制でないことを添えて出します。価格表はPDFでも構いませんが、本文に『何が添付されているか』を一行書いてください。
販売実績
本国や他国のチャネル(専門店、百貨店、EC)と、日本での販売の有無です。日本に既存の販売店やECがあるなら、隠さず書いてください。後から分かると、独占の話が壊れます。数字の詳細は出せない場合、『専門店中心』など定性でも構いません。
日本での販売希望
今ほしいのが試験販売なのか、全国の窓口なのかを一文で書きます。全部任せてほしい、は相手が身構えやすいです。『まず専門店向け卸として、初回は限定SKU』のように範囲を限定してください。
返信率を下げる問い合わせ例
次のような書き方は、日本の担当者が処理しにくいです。
件名が Partnership / Hello
カテゴリーも数量も見えず、スパムと区別しにくいです。『スキンケア3SKU/卸条件の確認』のように中身を出します。
本文が世界観だけ
写真は美しくても、MOQと価格がないと会議に載せられません。
いきなり独占と最低保証
サンプルも見ていない段階の要求は、警戒されます。試験の提案を先に置きます。
全SKUの巨大PDFのみ
どれを日本で出したいのか分からないと、開かれません。先に3点を本文で指定します。
良い問い合わせの構成
件名、冒頭3行、条件、次のアクション、添付の順です。冒頭3行に、カテゴリー、希望役割、MOQと価格の有無を置きます。次のアクションは『サンプル送付の可否を教えてほしい』『オンラインで15分条件確認したい』など、相手の工数が小さいものにします。
英語でも構いません。日本語が途中までだと、かえって解釈が分かれます。全文英語か、日本語はネイティブ確認後にしてください。
BrandBridgeに商品条件を掲載しておくと、メールだけに頼らず、日本側が先に数字を比較できます。問い合わせと掲載は両立します。
よくある質問
問い合わせでよく出る疑問です。
何社に同時送付してよいか
条件確認の段階では複数社が普通です。同じ文面の一斉送信だと、既存取引の有無を書いていないことがばれると印象が落ちます。既存の日本販売は必ず開示します。
フォローは何日後か
日本の仕入れは会議サイクルがあります。1通目から5〜7営業日後に、条件の要約だけ再送する方が、毎日の督促より有効です。
LinkedInとメールのどちらがよいか
担当部署の公式アドレスが分かるならメールが残ります。SNSだけだと、条件の文書が散らかります。
